介護福祉士は介護業界において、重要なポジションで働ける職業の1つです。専門知識・技術を用いて働ける介護福祉士は、介護現場の中心で活躍できます。専門学校などで介護福祉士に必要なスキルを身につけて、国家資格を取得できれば、就職時に高い評価を得られるでしょう。

そんな介護福祉士を目指す際には、さまざまな情報を事前に確認しておく必要があります。年収などの待遇面もその1つであり、どの程度の収入が想定されるのか把握することが重要です。

本記事では、介護福祉士の平均年収について解説します。介護福祉士が年収を上げる方法や、今後の待遇面の事情などについても解説するので、この機会に詳細をぜひご確認ください。



■介護福祉士の平均年収は？■


介護福祉士を目指す際には、平均年収も就職先を選ぶ際の重要な指標となります。平均年収を上回っているのか・下回っているのかを知ることで、優良な就職先を選別しやすくなるでしょう。

以下では、介護福祉士の平均年収について解説します。

■介護福祉士の平均年収は400万円程度■

介護福祉士の平均年収は、「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」を参考にすると、約400万円程度になります。正確には3,980,280円が、介護福祉士の平均年収です。月収に関しては平均が331,690円、約33万円となります。

もちろんあくまで平均の金額になるため、就職先や自分のスキル、労働スタイルなどさまざまな要因で年収は変わります。平均年収である400万円を軸にして考え、いかにしてキャリアアップを重ねて収入を高めていけるかが重要となるでしょう。

働き方や保有資格、実績などによっては、同じ年齢・勤続年数でも年収に差が出ることは珍しくありません。積極的に会社に貢献することを意識して、年収アップを画策するのも介護福祉士として働く際のコツです。

■介護福祉士の平均年収は一般的な基準と比べて低い？■

国税庁の「令和4年分　民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均給与は458万円となっています。介護福祉士の平均年収である400万円と比較すると、50万円以上の差があることがわかります。そのため単純な比較で言うと、介護福祉士の平均年収は全体の平均と比較して低めと考えることもできます。

一方で、介護福祉士の需要は向上していて、介護業界も待遇の見直しが進んでいます。そのため介護福祉士としてしっかりと学び、職場で活躍できる人材になれれば、早くから収入を高めて年収アップを実現することも可能です。

■介護福祉士の年収をアップさせる方法■

介護福祉士の年収を高めるには、さまざまな方法が考えられます。具体的にどんな方法があるのかを確認し、キャリアプランに組み込んでいくのもポイントです。

以下では、介護福祉士の年収をアップさせる主な方法を解説します。

■関連資格の取得を目指す■

介護福祉士として働きつつ、仕事に関連する資格を取得することで、年収アップを実現できる可能性があります。例えば介護福祉士として実績を重ねてから、「介護支援専門員」の資格を取得することで、介護現場の要として働けるようになります。結果的に職場での評価が高まり、待遇面の向上につながるでしょう。

介護福祉士の国家資格も能力を証明できる立派なものですが、そこに​​介護支援専門員などの専門資格をプラスできれば、より職場への貢献度を高められます。ほかの介護スタッフとの差別化にもつながるため、昇給・昇格のきっかけにもなり得るでしょう。

■介護福祉士として勤続年数・実績を増やす■

介護福祉士として長く働き、勤続年数を増やすことでも年収アップを実現できます。単純に同じ職場で長く働くことで、基本的には年功序列で年収は少しずつ上がっていきます。役職につける年齢になれば、手当がついて大幅な収入増加にも期待できるでしょう。

ただ勤続年数を増やすのではなく、具体的な実績を残していけるように働くことで、職場からの評価はさらに高まります。昇給・昇格のスピードが早まる可能性があるため、積極的に職場貢献につながる実績を作るのもポイントです。

■転職して待遇のよい職場に移る■

現在の職場でなかなか年収が上がらない場合や、自分の想定していた働き方ができない場合には、転職も視野に入ります。介護福祉士の需要は高いため、多くの企業が転職による人材確保を目指して求人を出しています。高待遇で介護福祉士を迎えたいと考える企業も珍しくないため、求人情報をこまめにチェックすることで今の職場よりも高い年収を得られる可能性もあります。

転職活動は、基本的に働きながら行うことになります。介護福祉士としての役目を果たしつつ、同時に転職活動を行うことになると、心身に負担が蓄積されるケースも懸念されます。転職サービスやエージェントなどを上手に活用し、負担を抑えながら転職活動を継続するのがコツです。

■将来的に介護福祉士の年収は上がる？■

介護福祉士の年収は、将来的に今よりも上がることが予想されています。国は介護業界の人手不足解消と待遇改善を目的に、「介護職員処遇改善加算」を実施しています。これは職場が要件を満たすことで、介護職員の給与を増やすためのお金が支給される制度です。

加算区分ごとに支給金額が変わり、加算Iの場合には37,000円相当/月、加算Ⅱの場合には27,000円相当/月、加算Ⅲの場合には15,000円相当/月となっています。それぞれにキャリアパス要件と職場環境等要件があり、どれだけ満たしているかで区分が決定されます。

そのほか、「特定処遇改善加算」によって「勤続10年以上の介護福祉士」を基本に、8万円/月以上の給与アップ・もしくは年収440万円以上にすることが定められています。このようにさまざまな施策・制度によって、介護福祉士の年収は上がりつつあります。今後も待遇改善に向けた新制度が発表される可能性があるため、国・自治体・介護業界の動向には注目しておきましょう。

■まとめ■

介護福祉士の平均年収は、約400万円程度です。400万円の平均を軸にして、どれだけ年収アップを実現できるのかが、キャリアプランを構築するうえで重要なものとなるでしょう。この機会に介護福祉士が年収を上げる方法も確認し、具体的なキャリアを考えてみるのがおすすめです。

介護福祉士になるには、専門学校などの養成施設を卒業して国家試験に合格する必要があります。「和歌山YMCA国際福祉専門学校」なら国家試験の受験資格を取得できるのはもちろん、1年次から現場実習を重ねて実践的なスキルの習得を目指せます。即戦力として働ける能力を身につけられるため、早くから職場に貢献して昇給・昇格を狙うことも可能です。